スピードの美学

人間と機械の関係のあり方。


その変化の様態は20世紀を理解するうえで大きな意味をもっています。


映画という庶民のひそかな願望の中で、機械(特に中古車情報でも人気の自動車)は人間と親しく交流し、コミュニケートし、心情的にも相互理解を行います。


・・・と同時に光にともなう影のように、無惨な破壊も顔をのぞかせています。


20世紀とは人間と機械の"もたれ合い"、その愛憎関係が着実に強まっていき、機械なしに人間は生きられなくなっていく状態にまでなった時代です。


しかしそうした"機械の中の機械"というべき自動車の魅力(もしくは魔力)は、はたしてどこにあるのでしょうか。


ネオ・フロイディアンと言われるアメリカの心理学者エーリッヒ・フロムによると、現代人は生に接する態度がしだいに機械的になりつつある、と指摘します(『悪について』鈴木重吉訳)。


生を愛するバイオフィリアではなく、むしろ死を愛するネクロフィリアの傾向が強いといいます。


また創造することのできない人は破壊したいと願う、とも言っています。


彼はそれを裏書きするものとして、実は前述のマリネッティの『未来派宣言』を引用しています。


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